鴨川に移住して〜自然とのつながりは豊かな食生活にあった〜

ニューノーマルが誕生した2020年、私はパトカーのサイレンが絶えず鳴り響くかまびすしい街から、美しい房総半島の鴨川市に移住しました。ここで暮らすようになって気づいたのは「豊かな生活」の本当の意味です。自然に触れたいと手探りしていたあの頃はわからなかったこと、それは、自然は毎日の暮らしの中にあるということ。しかも最高に美味しい形で。今回はそんな移住後の食にまつわるあれこれについてお話します。

移住前に抑えておきたい!生活の基盤になるスーパーは?

観光客のお決まりコース「道の駅」は意外に割高

移住を考えるときに大切なのは、その土地の物価や生活費をある程度把握しておくことです。私が最初にこの地を訪れたとき、まずチェックしたのは買い出しスポットでした。病院や学校など、おさえておきたいポイントは他にもありますが、健康な身体を作る食生活に深く関わる場所は、やはり優先順位を高くしておきたいもの。規模やアクセス、値段感、どういう種類の農産物が手に入るのか、など細かく見ておくといいかもしれません。ただし、田舎特有の「道の駅」は観光客向けの商品が多く意外に割高なものが多いので、地元の商店街やスーパーのほうが新鮮で安いものが手に入りやすいことも念頭に置いてくださいね。

地元でとれる農海産物が豊富な「わくわく広場」

安房鴨川駅からほど近くにあるスーパー「わくわく広場」は、地元の新鮮野菜や海産物だけでなく、全国から選りすぐりの食品が集められています。市外の手に入りにくいパン屋の特製ハンバーガーや近隣のお惣菜屋が作るお弁当などの軽食も手に入るので、料理する時間がないときは重宝します。また、お店の一角には近所の魚屋が獲れたての魚を並べる日もあって、そんな日はまるごと一匹魚を購入し家でさばくこともできます。自分の包丁でお造里を作ることの楽しみは、まさに海沿いに住む醍醐味。それぞれ仕入れの曜日や時間が決まっているので、行ったその日に「欲しいものがなかった!」ということはありません。

子連れならイオンやベイシアなどの大型スーパーへ!

食品だけでなく、生活用品などもまとめて買い出ししたいというご家族もいることでしょう。そんな時はイオンやベイシアなどの大型スーパーが便利です。広い空間でのびのびとお買い物ができるので、子連れでも気後れすることなくあっちこっちへ移動することができます。チェーンスーパーだからといって、直産物がないわけではありません。鴨川でとれた野菜や、房総近海の魚などもありますので、十分地産地消を楽しむことができます。都内から移住してきた人にとっては、こうした馴染みのあるスーパーがあるのも嬉しいですね。

旬の野菜を食すことで自然からパワーをもらえる

房総だけじゃない!千葉全体は今「エコ」になりつつある!

房総半島は昔から農業がさかんな土地です。もともとお米や野菜、魚などが豊富にとれたところに、戦時中の食糧増産政策も重なって「東京の台所」とも呼ばれていました。近頃は世界全体がオーガニック農法に力を入れ始めていることから、日本でも無農薬・無化学肥料の食品が増えてきました。実は千葉でもその動きがあるのです。「ちばエコ農産物」は環境保全や食の安全に配慮した千葉県独自の認証制度で認められたもので、この印がある農産物は化学合成農薬と化学肥料が通常の半分以下で作られているのです。家族に安全なものを食べさせたいと思う人にとってはとても嬉しい情報ですよね。

安心安全・新鮮な食材がすぐ近くで買える生活

無農薬野菜が近くで手に入らない、通販で仕入れると高くて手が出ないなど、食にこだわりたくてもできない状況にある方は少なくないでしょう。私もかつてそうでした。すると「オーガニックは難しい上、コストがかかる」という固定概念が生まれます。でも、ここ房総半島では、ちばエコ農産物の他にも有機野菜やオーガニック食品を作っている生産者がたくさんいます。「顔が見える生産者」とつながりを持つことで、信頼できる食物を手に入れることができます。買い物は投票と同じ。真摯に農業に取り組む生産者を、買って投票して、支えることができます。

春夏秋冬、旬の野菜を知っていますか?

日本には四季があり、自然に目を向けることでその移り変わりを愛でる風習がありますね。自然が近くにないと嘆く人もいますが、実は毎日の食生活が自然と繋がる一番近い方法だと気づく人は少ないかもしれません。お米や野菜、大豆などは自然に息づく植物からの恵みです。植物は太陽の高さや気温から季節を正確に読み取って、花を咲かせ実をつけます。そして私たちの食卓を彩ってくれるのです。忙しい毎日に追われると、昨日何を食べたのかも思い出せなくなることがありますよね。心身が疲れていると感じたら新鮮な旬の野菜を食べてみましょう。きっと英気を養ってくれるはずです。

豊かさって何?移住後に気づいた価値観の変化

見たこともなかった野菜が季節を知らせてくれる

近現代に入って農業生産が飛躍的に向上し、農産物は季節や気候に左右されず安定した収穫が得られるようになりました。スーパーにいくと、常に色鮮やかな野菜が棚に並び、欲しいものが手に入ります。とても便利ですよね。でも植物である野菜には本来旬があって、とれる季節が限られるので、春夏秋冬目にする種類は違うはず。そんな矢先、目に飛び込んできたのが、きくいも、ヤーコン、わさび菜などの、需要が少なく時期を逃すと出会うことのない野菜たちです。野趣あふれる見た目はご愛嬌として、食べてみると滋味深くて自然な味がします。こうした季節野菜たちが四季の移ろいを食卓に運んでくれるのです。

身体に必要なものは自然のなかにある

空前の健康ブームに乗って今メディアでは健康づくりに関する情報であふれています。でも自分にとって本当に必要なもの、必要でないものは何か選び取る力がない限り、真に役立つ情報とは言えないかもしれません。ならば、自然に身を預けてみるのもひとつの手。鴨川で暮らすようになってから、そんな風に考えるようになりました。鴨川がその想いを叶えてくれる豊かな土地であったことも幸運でした。自然と歩調を合わせたら、心も身体も無駄なものが削ぎ落とされて本当に大切なものがクリアになり、身軽になれたのです。

移住が教えてくれた豊かな生活と心身の整え方

「豊かな生活がしたい」という人が増えているようです。「豊かさ」とは何でしょうか?私は自然に身を委ねられること、人と人が笑顔で支え合えることだと思います。花の芳香に癒やされ、鳥のさえすりに耳をすまし、太陽の光に目を細める。新鮮な食材を届けてくれる生産者さんたちへ、心からの感謝をこめて「いただきます」と言える。これこそが「豊かさ」ではないでしょうか。「ありがとう」は魔法の言葉で、声に出すたび空っぽのグラスにゆっくり水が注がれていくように、心が満ち足りていきます。移住して学んだのは、意外にも心身を整える方法だったのかもしれません。

おわりに

房総半島は東京から電車で2時間程度と近く、関東圏の人であれば一度は海水浴やドライブに訪れたことがあるでしょう。都心からであれば最も移住しやすいのではないでしょうか。海が見える家に住みたいと思っていた私は、沖縄やハワイに憧れがあったのですが、今思うと灯台下暗しでしたね。青い海は房総でも堪能できます。

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