鴨川に移住して3 ~わざわざ訪ねたい隠れ家のようなお店たち~

子どもの頃、押し入れの中を自分の部屋に見立てて、ぬいぐるみや教科書などを置き、その中で眠っていた時期がありました。自分しか入れない隠れ家のようで、ワクワクとドキドキが入り混じった高揚感を今でも覚えています。人はそんな「誰も知らない秘密の場所」に惹かれるものですよね。鴨川をはじめ南房総の町には、電車のアクセスに左右されない素敵な隠れ家店がたくさんあります。今回は「わざわざ出かけて行きたくなる」ようなお店たちをこっそりご紹介します。

田舎暮らしのお手本!鴨川の山奥で営むパン屋

広大な敷地の離れにある小屋「石窯パン工房 そろそろ」

鴨川の市街地から少し離れた里山にある「石窯パン工房 そろそろ」は、元シェフの店主が営むこだわりのパン屋。敷地内にはパン工房のほかに自宅である立派な一軒家と、自家製ピザの食材として使用する野菜畑が広がっている。工房内には喫茶スペースもあり(現在は日曜のみオープン)、焼きたてのパンや石窯で炒ったコーヒーなどを堪能できます。美味しいパンを求めて市外から車を数時間走らせて来店する人も多く、焼き上がり時にはお客さん同士の会話が絶えないほっこり空間に。仕事もプライベートも土いじりもすべてこの里山で完結できる贅沢な環境で、絵に描いたような田舎暮らしを楽しみたい人は是非参考に訪れてみてください。

国道からほど近い田園風景のど真ん中にある「さが野」

こんなところにパン屋が?と、不安になりながら細い田舎道を進むと、突如小さな立て看板が現れ、白い木の扉が目に入ります。香ばしい小麦粉の香りが漂い出てたら、そこはパン屋の証。小屋のカウンター沿いにはパンが丁寧に並べられ、狭いながらも落ち着いた飲食スペースはくつろぎの空間に。日替わりのサンドイッチは店主が注文を受けてから作るため多少時間がかかりますが、大きな具がゴロゴロ入ってボリューム満点です。また、夏になるとかき氷が登場し、これを目当てに市外からも大勢の観光客がやってくる人気ぶり。お店仕様になっている古い小屋は、趣は残しつつ、パン屋としての機能だけプラスして最小限のリノベーションをしてある様子。お金をかけなくても工夫次第で素敵なお店は作れますね。

アクセスが悪くても遠足気分で立ち寄れるお店は人気

都心に住んでいると移動手段は電車かバスに限定されがちです。であれば飲食店は駅近が便利ですよね。ところが田舎暮らしをしていると、車移動がほとんどであることも手伝って、真逆の考え方が生まれます。つまり「アクセスが悪いほど行ってみたくなる」のです(笑)。行き帰りで見る海や山の風景も楽しみの一つで、なんだか小学生の時の遠足を思い出します。また、ソーシャルディスタンスを求められる今は、混雑を避けられるので一石二鳥です。

やっぱりカフェが好き!毎日通いたくなるエコなお家風カフェ

海まで歩いて30秒!風通しが心地よい自然派カフェ

日本の渚100選にも選ばれた鴨川を代表する美しい前原海岸から歩いて30秒ほどの場所に、木造の素敵なカフェがあります。海岸通りから一本入った小道にあるので、気づかない人も多い意外な隠れ家スポットです。「アースツリーカフェ」は無農薬無化学肥料で育てた野菜や玄米、安心安全な肉などを使って、シンプルかつ滋養ある食事を出してくれる貴重なお店。朝は8時からオープンしているので、早朝ランニングの後モーニングに立ち寄ることもできます。おすすめはなんといっても昼頃に焼き上がるクロワッサン。電話で予約をしておくと確実です。

オーガニック弁当が美味しい小屋仕立てのカフェ

南房総市の海岸沿いに、休日は大勢の人で混み合う道の駅ローズマリー公園があります。そこに隣接した農園内にある「ちいさなおうち」は、女性店主が一人で切り盛りする小さな小さなカフェ。こだわりのオーガニック弁当や米粉と豆腐クリームで作ったヴィーガンケーキなどをいただくことができます。ビニルハウスのような造りが愉快なカフェ店内では、看板犬の”ぼの”が眠そうな顔でお出迎え。カフェタイムを一層なごやかにしてくれます。驚くべきはケーキの上にのった無農薬栽培のいちご。女性店主さんはこの超濃厚で衝撃的に美味しいいちごに恋をしてカフェを開いたんだとか。冬の間だけの贅沢な逸品です。

他とは違うオリジナリティを持つことが人を集める秘訣

立地柄、海が見えたり山が見えたりするカフェが多い房総半島ですが、人が集まる理由はそれだけではありません。こだわりのデザインや食に対する意識の高さ、美味しいものを食べてもらいたいという店主のお店にかける情熱といった、他にはないオンリーワンの個性を持つことが何よりも大切。不特定多数を相手にする都心のチェーン店とは違い、ニッチだけど何度も通いたいと思えるような店づくりこそが愛され続ける秘訣でしょう。

老若男女に人気の洋食店は趣向を凝らした店づくりを

鴨川シーワールドの帰りに寄りたい別荘風の洋食店

館山から鴨川、鴨川から勝浦へと抜けていく大きな国道沿いには、数々の観光ホテルや鴨川が誇る一大海洋エンターテインメント施設、鴨川シーワールドがあります。そこから一本脇道に入ると、表通りの喧噪が嘘のように穏やかな森林の中にぽつんと瀟洒な別荘風の家が佇んでいます。”街の食堂”と銘打った「ロッソ・ビアンコ」は、パスタからハンバーグまであらゆる洋食が揃う密かな鴨川の名店。美しく盛られたサラダや付け合わせ、副菜など、細部まで手抜きは一切なしで、一度食べたら必ずまた訪れたくなる美味しさ。家族と友人と恋人と、様々な場面のニーズに答えてくれるとっておきの一店です。

森のドライブデートは隠れ家イタリアンで雰囲気を演出

鴨川から山奥へ30分ほど車を走らせて君津市に入ると、山道の途中に古民家を改装した「村のピザ屋 カンパーニャ」があります。おもちゃ箱をひっくり返したような遊び心満載のエントランスに、タイル貼りのエキゾチックなテラス席がユニークな印象を与え、「間違いない」という期待感で胸がいっぱいに。辺りの静けさとは裏腹に、お店の前には順番を待つ人だかりで少しざわついてはいますが、てきぱき誘導するスタッフのお姉さんを見ていると時間はあっという間に過ぎてしまいます。お店自慢のピザは軽くて程よい大きさなので、2人で軽く2,3枚食べられますよ。

おわりに

鴨川に移住してからというもの、南房総をドライブしながらお気に入りのお店を探すのが楽しみの一つになっています。特に、自分と同じ「移住組」の人が店主だと、話が弾んでなごみムードに(笑)。皆さん、「自分の城」に愛情をたっぷり注いでいますよね。そんな隠れ家探しはまだまだ続きそうです。

投稿者プロフィール

三浦 榎里子
三浦 榎里子
2020年に東京から千葉・鴨川市へ移住。念願だったオーシャンフロントの家に住む。自然美容、フラ、海、植物、居心地のいいカフェ、小鳥をこよなく愛するアラフォー。
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